株主は、今こそ熊谷組の責任追及をすべきです
日本版スチュワードシップ・コードのもと、企業の経営陣が自身の経営結果について責任を果たすようにすること、また、企業改善のためにエンゲージメントをすることこそが、株主の責任です。
今こそ、熊谷組がより良く生まれ変わる時です

 熊谷組は毎年目標を達成できず、株主は経営陣による企業価値の破壊を目の当たりにしてきました。株主は熊谷組の経営陣にこれ以上の猶予を与えるのではなく、経営陣に経営の失敗への責任を果たさせる必要があります。 ROEが5%を下回り、改善の見込みもほとんどなく、熊谷組は簿価を下回る価格で取引されています。

オアシスは来る6月29日開催の第86期定時株主総会では、次のように議決権を行使することを推奨しています。

1. 櫻野泰則社長の取締役への選任議案に「反対票」を投じましょう

-         熊谷組のコア事業である建築、土木事業における業績の悪化

-         ROEは4.7%にまで低下し、簿価のわずか0.77倍で取引されている

-         中期経営計画で掲げた目標の大幅未達、ガイダンスの頻繁な未達

-         価値を生み出さない投資

-         住友林業との資本提携によるシナジー効果の創出に失敗

-         最近の検査虚偽報告の不祥事でも明らかになった、適切なコア事業への経営監督の不全

2. 佐藤建氏の取締役への選任議案に「反対票」を投じましょう

-         熊谷組と住友林業の間には資本提携が存在するにもかかわらず、住友林業は共同開発プロジェクトにおいて熊谷組よりも競合他社(長谷工コーポレーション、前田建設、鹿島建設)を優先

-         にもかかわらず、熊谷組は、住友林業の代表取締役に熊谷組の取締役会の議席を与えており、全く容認できない。熊谷組は住友林業に株主の代表者である取締役の座を与えており、他の株主をないがしろにしている。熊谷組は、他の株主に対して住友林業を優遇しており、これはあってはならないことである

3. 20%の自己株式取得の議案に「賛成票」を投じましょう

-         低いバリュエーション(PBR0.7倍、ROE4.7%)の解消

-         熊谷組には550億円の余剰資産があり、更には、他人資本を活用する十分な余力がある

4. 一株当たり188円の配当実施の議案に「賛成票」を投じましょう

-         熊谷組は年間82億円の配当を支払える事業キャパシティを有する

-         増配により熊谷組の経営は本業に注力し、利益率の向上に真剣に取り組むようになる

5. 経営戦略の見直し、住友林業との資本提携と投資計画の見直しを含む、戦略委員会設置案に賛成票を投じましょう

-         投資計画および資本提携の戦略的見直し

-         いまの資本提携が熊谷組にとって利益にならないことから、熊谷組は住友林業との資本提携を解消するか、もしくは住友林業の完全子会社となるべきである

-         熊谷組は投資計画全体を見直し、つまびらかに投資利益率とタイムラインを理解できるように詳細に開示する必要